師匠、この円の中にいて私を待っていてください。前の方を見てすぐに戻りますから。 円を出たらどうなるの? 死ぬ!
唐僧はひどく途方に暮れていた。師匠は彼に、取りに行く真経(経典)こそが真の経典なのではなく、真経とは万物に対する大きな愛を抱く心にあるのだと教えた。しかし、彼には小さな愛さえなかった。彼には悟空、紫霞、晶晶の三人が抱く五百年の執着もなく、八戒が銀河で数万年をかけて守り抜いた想いもなく、沙僧がすべてを背負って耐え抜いた苦難さえなかった。ましてや小白龍の十万八千里にわたる片思いなど、言うまでもない。 もし女儿国の国王を数えるなら、一人だけいたかもしれない。あの日の風は騒がしく、春の陽気は麗らかだった。「聖僧、娘は美しいですか?」と彼女は問うた。彼は三歩歩いては振り返り、美しいか?美しい、美しい!しかし、彼は口に出さなかった。悟空は笑い、八戒も笑った。彼はまだ二十歳そこそこだった。 覚えている。あの日、彼が二十五歳の誕生日を迎えたばかりの時、観音菩薩がやって来て、西方へ経典を取りに行くよう告げた。どれくらい遠いのか?十万八千里。奇遇なことに、悟空の筋斗雲もちょうど十万八千里だった。その時、十万八千里が最大の数字だったのだろうか?違う。悟空は一跳びで石柱の下まで行き、もう一歩進めばこの天地の外に出られたはずだった。しかし彼はそうしなかった。ただ印を付けて戻ろうとしただけで、だから彼は負けたのだ。経典取りも同じだ。如来は十万八千里プラス一里の場所で彼を待ったりはしない。特に唐僧という制御不能な要素においては、たとえ彼が二十九世を繰り返したとしても、理論上は自分自身を完全に忘れているはずなのだから。 その日、彼は師匠を訪ねてこのことを話したが、師匠は何も言わなかった。彼が話を続ける。「経典を取りに行けと言うだけで、何の力も授けてくれない。それどころか、キラキラ光る服をよこして……」言い終わらないうちに遮られた。師匠は何かを言いかけてやめ、最後にこう言った。「大きな愛を抱きなさい。さもなくば、取りに行く経典も真の経典ではない」 「師匠、あなたが僧侶になる前のお名前は何でしたか?」 「私は生まれた時から寺にいた。僧侶でなかった時などあるはずがない」 「それはおかしい。寺に男ばかりでどうやって……」 「師匠はかつて、私が川を流れてきたと言っていた。だから『江流』と呼ぶのだ」 「川から来たのなら、その川はどこから来たのですか?」 「その問いには……おそらく仏祖しか答えられないだろう」
孫悟空、闘戦勝仏。 「仏祖に感謝いたします」 悟空は跪いて礼拝し、頭を塵の中にまで下げた。最後に跪いたのはずっと昔の夜のことだった。彼はあの長い川を飛び越えられず、力尽きて洞窟の前で跪いた。「なぜどうしても飛び越えなければならないの?」と小さな狐が聞いた。彼は言った。「みんなが不可能だと思っていることを、俺が飛び越えたら、きっと楽しいだろうから」。みんな自分が妖怪だと自覚して、ただ生きているだけでいいと思っていた。俺はあえて彼らに、俺にもできると見せたかった。英雄には命を捧げる覚悟が必要だが、あいにく彼には未練があった。彼にはそれができなかった。紫霞の涙が彼の焼け焦げた体に落ちた時、紗巾を握りしめていた彼の指は、結局離れてしまった。それからこの世に孫悟空はいなくなった。あるいは斉天大聖はいなくなった。おそらく皆まだそこにいるのだろうが、彼はもう、棍棒を振りかざして十万の天兵を相手に傍若無人に振る舞ったあの魔王ではない。彼はただ、勝てなければ天に援軍を頼むだけの、花を守る使者になったのだ。彼は勝てなかったのか?彼は勝つことを恐れたのだ。明らかに誰かが仕組んだ罠であり、屈服するか、抵抗するか。彼は抵抗しただろうか?彼は疲れていた。 「よお、この世に孫大聖でも解決できない妖怪がいるのか?」 「………………彼が答えたのを見たことがあるか?」彼はただ笑う。呵呵呵呵と笑う。彼が抵抗するのを見たことがあるか?彼は一吹きで死ぬような妖怪を相手に、自分自身が傷だらけになるのを見ていた。深夜、彼は誰にも見せないように自分の傷を舐めていた。ある日、唐僧が夜中に起きてそれを見て尋ねた。「なぜこんなことをするのだ」。悟空は言った。「かつてある人を深く尊敬していた。あなたにとても似ている。残念ながら、あなたは彼ではないが」 「私は本当に聞き分けが良くなった」と、彼は誰に対してもこのメッセージを伝えた。そしてついに彼は仏になった。六根清浄、俗世には関わらない。仏になるということは、何もかもがなくなるということだ。悟空も斉天大聖もいない。彼はついに、公的な糧を食んで老後の心配もない、あの自分が最も嫌っていた存在になってしまった。 仏祖は微笑んだ。「お前は悟った」
猪悟能、浄壇使者。 「なぜ彼らはみんな仏になれるのに、俺だけなれないんだ!」 「ん?」 「仏になれば俗世には関わらないが、少なくとも天にいられる!たとえ遠くから眺めるだけでも、それで十分だ。だが残念なことに、仙女が一人とウサギ一羽で寝宮を独占しているなんて話を聞いたことがあるか?妃をからかっただけで貶められた将軍を見たことがあるか?なぜからかわれた妃は何事もないのだ。お前はまだ仏になりたいのか」。仏祖は少しだけ、ごくわずかに啜った。
江流に関しては、彼を仏にすることなど到底あり得ない。八戒は順送りの人情で仏にしたが、江流は自分を脅かし得る存在だからだ。「お前、真経を大唐へ伝えてきなさい」 「はい、仏祖。一つ質問してもよろしいでしょうか?」 「ん?」 「川はどこから来たのでしょうか?」 仏祖は江流を一瞥した。「当然、天からだ」 「仏祖に感謝いたします。僧侶は理解いたしました」 こうして彼は大唐へ戻り、真経を広め続けた。帰路に彼を阻む者は当然いなかった。死を望む亀を除いては。亀は彼ら四人を階級の敵だと思っていたが、今や彼らも友人だった。彼自身が真経ではないと知っている経典を伝え、最後は大唐で老いさらばえて死に、次の輪廻へと続く。彼は老僧の悲惨な晩年を見に行ったが、助ける勇気はなかった。いや、無力だったと言うべきか。彼は大きな愛を理解したようだったが、大きな愛では仏にはなれない。仏祖が彼に理解させたのは、まさにそのことだった。
芝居に溺れた役者は目覚めにくい しかし、芝居は人生そのものだ!
あの伝説は、私の孤独を忘れさせた。 英雄の名など得るに堪えず、なぜ私を混沌と呼び、無駄に口を費やすのか。
——夢の中で訪れた西遊記。追伸:エピソードの一部は『悟空伝』、『チャイニーズ・オデッセイ(大話西遊)』、『西遊記〜はじまりのはじまり〜(西遊伏魔篇)』、『大聖帰来』、『九九八十一』、『西遊記』から引用した。