午後の日差しの中に、あのミルクの香りのするボディソープを愛用していた女の子を思い出す。何年も前の、窓際から二番目の席で、ちょうど前髪に日差しが降り注いでいたあの女の子のことだ。
高校時代の恋は、今振り返っても憧れてしまうほど純粋だったと思う。たとえテスト用紙に囲まれていても。
物質的なものも、未来のことも関係ない。バカだと言われても、幼稚だと言われても構わない。それでも私は大声で言いたい。彼女が好きだったのは、彼女が可愛かったからだ。
あの夏はとても澄んでいた。空気中に漂うほのかなミルクの香りが、午後、教室に差し込む日差しまで気だるげなものに変えていた。私は目を細めて机に寄りかかり、首を傾げて彼女をじっと見つめていた。彼女は時折ちらりと私を見て「見ないでよ」と言ったが、それ以上に顔を赤らめることの方が多かった。蝉の声と、数学の授業の眠気とともに。あれが夏の匂いだった。
あの夏のミルクの香りは、その後の数々の夏を懐かしませた。残念ながら、彼女が冬に使うかもしれないラベンダーや、あるいは玉ねぎやニンニクのような匂いのボディソープを嗅ぐことはなかった。秋になると急に転校してしまった彼女は、私の記憶の中では、夏にしか存在しない。
その知らせを聞いた日のことは覚えている。激しい雨が降っていた。教室に座りながら、私は考えていた。グラウンドで狂ったように走り回るべきだろうか、それとも思いっきり叫ぶべきだろうか。だって私は彼女が大好きだったのだから。本当に、本当に好きだったのだから。
私は階段を降り、土砂降りの雨を見つめて、ズボンの裾をまくり上げた。その時、授業開始のチャイムが鳴った。通りかかった担任の先生が「ここで何をしているんだ、授業だぞ」と尋ねた。そうだ、私はここで何をしているんだろう? 私はズボンの裾を下ろし、教室へと戻った。授業中、窓の外の激しい雨を見ながら、降りなくてよかったと思った。濡れたらきっと不快だろうから。
悲しいか? 悲しい。でも、それほど悲しくもないような気もする。なんだか、こんなものなのかもしれない。
言葉にできないまま、胸の奥に何かが詰まったまま。切ないけれど、大したことではないような。なんだか、こんなものなのかもしれない。
再会したのはずっと後のことだった。幸いにも季節は夏で、幸いにも彼女は私が見るのが一番好きだった白いワンピースを着ていた。遠くの通りからでも彼女だと分かった。私は手に持っていた「現代産婦人科」や「欧亜男性科」といったチラシの束を投げ捨て、狂ったように彼女の方へ歩き出した。近づいたところで足を止め、呼吸を整え、服を整え、そして服と同じくらい乱れた感情を整えた。存在しない靴紐まで確認してしまった。
結局、彼女が先に振り返った。迷うことなく、驚いた口調でこう言った。
「Hi、xxx、久しぶり」
「ああ、久しぶり」私は急にぎこちなくなり、濡れてしまったジッパーをいじった。彼女は笑って「相変わらずバカね」と言った。「残念ながら、もう昔みたいに顔を赤くはしてくれないんだね」と反射的に口にしてから、しまったと思った。彼女は含み笑いを浮かべて私を見つめていた。気まずい空気が流れた。
彼女に言われて連絡先を交換した後、私は逃げ出した。空気中に充満する、息が詰まるような夏の匂いにも、喉から飛び出しそうな心臓の鼓動にも、耐えられなかったからだ。
帰り道、私は考えていた。余裕を装って演じたアイドルドラマのような展開は、彼女から見ればただの痛い奴だったかもしれない。でも、恥ずかしさや情けなさは感じなかった。ただ悲しかった。ひどく悲しかった。人生は結局、アイドルドラマではない。自分がバカみたいだと思うのも無理はないが、それでも私はそうするしかなかったのだと思う。
それはきっと、私が彼女を好きだったからだ。心から、本当に好きだったから。それなら、どうしてすぐに抱きしめて「何年もずっと会いたかった」と言わなかったのだろう。そう考えると、なんだか、それほど好きでもなかったような気もしてくる。
でも、本当は分かっている。あの夏は、たった今終わったのだ。当時の気持ちが胸に蘇り、急に泣き出したくなった。何年も前の自分自身の願いを叶えるために。でも、泣けなかった。
家に帰ってから、泣ける映画をたくさん探した。ようやく『秒速5センチメートル』を見終えて、満足感とともに涙を流した。部屋で一人、あの頃の自分が望んだように雨の中で叫んだり泣き叫んだりすることはできず、声を殺して肩を震わせるしかなかった。もし母親が突然入ってきたら、息子が喘ぎながら自慰でもしていると思うだろうな、とふと思った。
そこで泣くのをやめた。なんだか、そこまで悲しんで泣くほどのことでもなかった気がする。それなら、なぜ泣いたのだろう。たぶん、映画が素晴らしすぎたからだろう。
それでも夏はもうすぐ終わる。待ち受けているのは秋、冬、そして次の夏だ。ただ、雲の塊や、耐えられないほど濃厚な日差しを見ていると、どうしてもあのミルクの香りの夏を思い出してしまう。
まるで、日差しがちょうど窓ガラスを通り抜けて、前髪から机の上に降り注いでいるかのように。